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 Q1 整形外科って何?
 Q2 単なる痛み止めはいりません?
 Q3 妊娠中にレントゲンを撮ると胎児に奇形が生じますか?
 Q4 レントゲンを撮ると、白血病になりますか?
Q1 整形外科って何?
 ときどき患者さんから、「手をケガしたんですが整形外科で診てもらえますか?」という電話を頂戴することがあります。整形外科という字づらからは美容外科的な印象を受ける患者さんが多いようです。

 整形外科は英語ではorthopaedicsといいます。これはギリシア語由来で小児を矯正するという意味です。この用語を初めて用いた整形外科の教科書ができた1741年当時、整形外科の主な診療範囲は先天性股関節脱臼、先天性筋性斜頚、先天性内反足といった小児の奇形であったためのようです。

 わが国では1906年、初めて大学医学部に整形外科学講座が設置され、「整形外科」という訳語はこの頃、東大の田代義徳教授が考案しました。

 この「整」の字ですが、これは「敕(チョク)」と「正」に分かれます。「敕」はさらに「束」と「攵」に分かれます。「束」は「木」に「〇」が重なっていて、木にひもを巻きつけて束ねているところを表します。「攵」はもともと「攴(ホク)」という字で、「卜+又」で、卜が棒、又が手を表して、棒を手に持ってぽんとたたくさまを示します。「又(ユウ)」はもともと右腕を肘のところで曲げて物をかばうしぐさを表した字で、外からわをかけたようにかばう意を含み、転じて、「わをかけて、さらにそのうえに」の意の副詞となり、日本の訓が「また(そのうえ)」になったのです。

 そこで、田代教授は、「整」を「これを束ね、これを攴(たた)き、これを正しうす」
という意味であるとして、形を整えれば機能も正しくなるということで、orthopaedicsの訳語を「整形外科」としたのです。こう聞くと、なるほど、整形外科でやることはギプスを巻いて折れた骨を束ねたり、変形した骨をノミでたたいて骨切り矯正術をしたりして、形を整えることだから、とっても素晴らしいネーミング!と思うのですが、そんなことまで知っているのはよほど漢籍に詳しい人だけですね。

 その後の整形外科の発達により、今では小児の奇形の矯正という原義からかなりへだたって、今日の整形外科であつかう範囲は駆幹、四肢の各種疾患と外傷を含み、骨関節疾患のみならず、筋、腱、靭帯、神経、血管系などの諸疾患を含んでいます。

 もちろん当院では切り傷、擦り傷、やけど、打ち身、捻挫、骨折、脱臼、リウマチ、痛風、骨粗鬆症、手足や背骨に関するすべての病気やケガをあつかっております。

 また、ときどき患者さんから医者は何でも病気を診れるのかという質問も受けます。医師免許は各科を指定した上で与えられるものではありませんから、法律的にはその通りです。私も離れ小島の診療所に勤めたら、いざというときには盲腸の手術もしなくてはいけないでしょう。しかし、専門分野以外は不慣れなものですから、なるべく専門の科を受診したほうがよろしいでしょう。

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Q2 単なる痛み止めはいりません?
 整形外科であつかう疾患の多くは痛みが主な症状になることが多いものです。痛みを止める方法としては、もちろんその痛みの原因となっている病気を治すのが一番です。患者さんもそう思っている方が多いようで、私が痛み止めの薬を差し上げようとしたり注射をしようとしますと、痛みを止めるだけの治療は要りませんという方が時々います。

 しかし、実はもとになっている病気を治すためにも痛みを止めることが大事なのです。肩凝りや腰痛などは本格的な原因があるというよりも、単に疲れや無理な姿勢でいたために起こることもしばしばあります。こうした場合、痛みが長引きますと、痛みをかばうために姿勢が悪くなり、さらに長引く悪循環になることもあります。また、疲れをとるには血のめぐりをよくし、ゆっくり休むことが大切ですが、痛みがありますとゆっくり眠ることもできませんし、局所の血管が収縮してしまい、血のめぐりも悪くなってしまいます。

 五十肩などでは当初は肩の周囲のすじの炎症で痛みが起こっていたものが、長引くうちに肩を長いこと動かさなかったせいで関節が固くなって痛みが起こるようになったりします。こうした場合には注射で痛みを止めて積極的に動かす練習をしなくてはいけません。尿管結石では、痛みのために尿管が収縮し、どうしても結石が落ちないことがあります。こうした時に注射で痛みを止めますと、痛みがなくなったために尿管が広がって結石が落ちてしまい、手術をしなくてすむこともあります。

 さまざまな病気で痛みを止めることが大事であることを述べましたが、野球で肘を痛めたのに、注射で痛みを止めて試合に出るといったことはお勧めできません。病気によって治療は異なりますので、個々の場合については医師からよく説明をしてもらうようにしてください。

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Q3 妊娠中にレントゲンを撮ると胎児に奇形が生じますか?
 レントゲン撮影の際に放射線被曝についての不安を訴える患者さんがいます。放射線障害は被曝した線量によって程度が異なります。1000ミリシーベルトの放射線を1回に浴びると、吐き気や全身の倦怠感を起こし、3000ミリシーベルトで脱毛、7000ミリシーベルト以上では死亡する恐れがあります。250ミリシーベルト以下では症状は出ないとされます。ビキニ水爆実験で被曝した第5福竜丸の乗組員のうち、死亡した方は4000ミリシーベルトの被曝線量であったと推定されています。1999年9月30日に茨城県東海村の核燃料の加工工場で起きた事故で亡くなった方は1万8000ミリシーベルト以上の被曝と推定されていますので、前代未聞の被曝線量といえます。一般にレントゲン写真撮影による放射線被曝は原子力関連施設の事故による放射線量とはけた違いに被曝線量が少ないので通常の検査で問題が生じることはありません。

 具体的にいくつかの患者さんの不安を取り上げてみましょう。

 まず、一番多い相談は妊娠中のレントゲン検査で胎児に奇形が生じるのでは?というものです。

 胎児が放射線に被曝した場合、奇形が発生する可能性が高くなるのは、被曝の時期が受精後2~8週(最終月経から数えると4~10週)の間であり、かつ被曝線量が100ミリシーベルト以上である場合です。妊娠4~10週というと母親も妊娠を知らずにレントゲン検査を受けてしまったりすることがありますが、整形外科で行なうレントゲン検査の場合、胎児への影響が大きい腰椎の検査でも胎児の被曝線量は5ミリシーベルト程度です。つまり普通のレントゲン撮影では胎児の奇形については問題ないと言っていいでしょう。ほかに胎児への影響としては精神発達遅滞が知られていますが、これも影響が発生するのは100ミリシーベルト以上です。しかも、感受性の高い時期は受精後8~25週であり、この時期は母親自身も妊娠に気づいており、レントゲン検査を意識的に避けることができます。

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Q4 レントゲンを撮ると、白血病になりますか?
 広島、長崎の原爆被爆者に白血病が多発したことは広く知られており、放射線というと白血病を連想して怖がる人が多いです。しかし、広島、長崎での原爆被爆者を対象にした調査でも、200ミリシーベルト以下の被曝集団には、白血病の発生率の増加は認められていません。通常のレントゲン検査での被曝線量は数ミリシーベルト以下ですから、白血病の心配をする必要はまったくないといっていいでしょう。白血病は癌のうちではまれなものですが、ほかの癌についても、100ミリシーベルト未満の被曝線量であれば、自然の発生率よりも上回らないことがわかっています。

 それと遺伝的影響を心配なさる患者さんも多いですが、さまざまな疫学調査が行なわれていますが、放射線被曝によって遺伝的影響が発生することは確認されていません。遺伝病は放射線被曝がなくとも自然に発生しているものですが、放射線被曝により自然に発生している遺伝病の発生率が2倍になる線量は1000ミリシーベルトであり、通常のレントゲン検査では遺伝的影響の発生はほとんど問題になりません。また、癌の治療などで生殖腺に比較的大量の放射線被曝を受けたとしても、子供を産む可能性のない年齢の人なら遺伝的影響の心配をする必要はまったくありません。

 レントゲンは、慎重に扱う必要があるのはもちろんですが、検査で得られる情報も非常に重要で診療に不可欠なものです。レントゲン検査が患者さんにとって多くのメリットがあるからこそ行なわれるのだということをご理解いただきたいと思います。

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