気功って効くの?
最近気功がブームになっているようです。手をかざすだけで本当に病気がよくなるならこんなすばらしい治療法はありません。
実際気功で病気がよくなったという患者さんがいるのは本当のようです。しかしその効果の実態は心理的暗示の効果のようです。ある気功研究家が偽気功師に扮してある患者さんに「今夜8時に私の家から気を出すから、自分の家で私の気を受け取るように」と告げたところ、翌朝その患者さんはうれしそうに「昨晩私はとても強い気を受けました。全身が熱くなって思わず体が揺れだし、からだの痛みもすぐに消えました。おかげさまで昨晩はぐっすりと眠れ、不眠もすっかり治ってしまいました。」と言ったそうです。もちろんその気功研究家は実は何もしなかったのです。.多くの病気には精神的なものが大なり小なり関わっています。精神的緊張が血圧を上げることや、精神的ストレスで胃潰瘍ができることはよく知られている事実です。精神的に充実した状態の時には風邪などにもかかりにくいということも多くの人が経験しているところです。
もし自分で自分の心理状態をコントロールすることができるなら、それは非常に健康のために有益であるはずです。それは別に気功に限らず、座禅やヨガでも同じであるはずです。
なぜ気功がブームになるのでしょうか。それは気功が目新しくて神秘的でいかにも効き目がありそうに思えるからです。こうした暗示の効果は本人が必ず効くと思わなければ効きません。座禅やヨガでは古くさくて効き目がありそうに思えないのです。
昔の人は神様は雲の上に住んでいると思っていました。今では天気予報のたびに雲の裏側の写真をテレピで放送するもので、雲の裏側には誰もいないことは子供でも知っています。しかし宇宙の果てについては今でも確かなことはわかっていませんので、宇宙の果てから飛来するUFOについての本は今でも売れるのです。気功が座禅より流行るのはそれと同じことです。
かつては医者もただのお砂糖を「これはドイツから取り寄せた高いお薬で、これさえ飲めば必ずあなたの病気は治ります」などと言って重々しく処方しまして、長年苦しんでいた頭痛や不眠をたちどころに治してしまうということもやっていたようです。しかし、今では必ず薬について説明し、お砂糖はお砂糖と言わなくてはいけないことになっています。また薬の副作用も説明しなくてはならず、多くの患者さんが薬を飲んだ翌日に説明した通りの副作用を起こします。皆さんも薬は必ず効く、副作用は決して起きない、病気はきっと治ると自己暗示をかけてみてください。病気の治りが早くなるかも知れません。
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